㈱マルキンリフォーム リニューアルオープン
令和元年5月16日、私が独立して今の仕事を始めた日です。
この号では、通号のお客様との出会い、事例紹介はお休みして、
おこがましいですが、私が今の仕事を始めるまでの経緯をお聞きください。
高校を卒業してから、会社員生活を約40年間続けました。
その途中、40歳を過ぎたあたりで、独立したい思いが生れました。
がしかし、その時はまだ子供が小学生で、これから先の義務の事を考えてもなかなか安定した生活を捨てられませんでした。家内も同じ思いでした。
そして、あと一年で還暦を迎えようとする平成30年の秋に、その決断をしました。
60歳になる前に第二の人生を歩み始めよう、との思いでした。
その時の家内の言葉は「もういいんじゃない!」でした。
その9月から翌5月までの、約8か月間、それはそれはいろいろな経験をしました。
と言うのも、初めから今の仕事(リフォーム業)をしようと決めていなかったからです。
知人に、「タクシーの運転手やバスの運転手」がいます。
彼らに話を聞きに行った後は、大型2種免許取得の合宿先の調査です。
結局、腰痛によくない、という自分への言い訳で断念。
次は靴好きの私の憧れの「靴職人」です、その筋では名の通っている浅草にある靴専門学校に直接電話をして、校長先生にアポイントがとれ訪ねました。
「根建さん、後ほど見学してもらいますが、1年間通って勉強して、それなりの月謝がかかります。今いる生徒は若いので、卒業後はメーカーなどに就職斡旋できます。しかしその先も企業としては最低5年間は修業期間です、根建さんの年齢では無理です、諦めてください。」
やはり歳の壁がありました。校長先生、いい人でした。
更に「靴磨きパターン1」
青山のとあるビル内の一室にあるその店に予約を入れて、お気に入りの革靴を一足持って店内に入ると、そこは靴磨きとは程遠いカウンターバーのような洒落た店内で、そのカウンターのなかにはプレスのきいたワイシャツにビシツとネクタイをしてツイードのジャケット姿の職人さんが二人、すでに一人は作業中、こちら側の丸い高椅子にはお客さんが座っていて、会話をしながら事が進んでいきます。
私も、もう一つの椅子に腰掛けて始めてもらいました。
私の事情を相談すると、「この業界はすでに飽和状態、やめたほうがいいです。」
「靴磨きパターン2」
有楽町の駅前の交通会館の前で、地べたに座って営業している靴磨き。
お客さんが座った前に靴を乗せる台があり、地べたの職人さんがそれに手を入れるという、昔ながらのスタイル。違うのはその職人の出で立ち、某有名セレクトショップのコーディネートのネクタイ、ジャケットスタイルにハンチング帽、まるで洋服屋の店員です。
修業をしたい、と尋ねると、「数十人待ち」。ちなみに、パターン1(ワックスを丁寧に取り除いて再ワックス)=約1時間かけて4千円、パターン2(重ねワックス)=15分で1千円でした。結果的に時間単価は同じでした。
次は「パン屋さん」
高校野球部先輩のパン屋さんに相談に行きました。
「金五、1千5百万投資して開店して、お前の歳で返済しながら奥さんと生活していけるのか、仕込みがあるから、まる一日休みなんて取れないんだぞ、ましてや売れるようなパンを作れるようになるまでに何年かかると思ってるんだ、結果、残れるパン屋の方が少ないんだぞ、パン屋を甘く見るな。」いい先輩です。
そんなこんなで、第二の人生の道筋が決まらない毎日、私的に空白の8カ月、は、思い返しても気が重く辛い期間でした。後で知ったのですが、妻は毎晩、星野源の「ハローソング」という歌を聴いては泣いていたそうです。申し訳ない。
そんな時、朝、目が覚めた瞬間、布団の中で天井を見ながらふと思い至りました。
「俺は地元で生れ、地元で育った、育ててもらった。還暦過ぎの人生はそこで恩返しできないか、そうだそうしよう。今まで培ったものを携えて、皆さんに喜んでいただけたら俺も嬉しい、あの時のお母さんの笑顔に触れた時のように。
リフォームだ、そうだやっぱりそうしよう。」
この瞬間、目の前に道が見えました、進むべき道が。
後は進む、実行するだけです。
しかし自分で仕事を始めるにはどうしたらいいのだ、
個人で仕事を始める為のノウハウをあらゆるところに聞きに行き、創業セミナーなどに参加し、行政や、保険等の事業所を訪ね廻り、業者さんや仕入れ先に挨拶をして取引のお願いをして、会社名を決め、必死になって準備をして、令和元年5月16日を迎えました。
先ず、顔見知りのお宅にご挨拶に伺うことから始めました。
その後は、ただただ夢中で毎日が過ぎていきました。
そして、おかげさまで令和2年10月に法人化して、今年の9月で2期目の決算を迎えることができました。
そして、何より痛感するのは、やはり「感謝」です。
お仕事をいただける、頼りにしていただけるお客様に感謝。
その仕事をこなしてくれる業者さんに感謝。
商材などを提供してくれる仕入れ先に感謝。
関わりのある各事業所や行政、銀行等に感謝。
身内に感謝。
感謝の思いを抱きながらの仕事は自分の喜びに繋がります。
そんななか、この度自宅の一室をリフォームして会社の事務所になりました。
こんな事が出来たのも、皆様のおかげです。心から感謝いたします。
事務所専用の玄関もできました。
少しお立ち寄りいただけ易くなったと思いますので是非お出かけください。
つまらない私事を長く申し上げてしまい、失礼いたしました、お許しください。
法人第3期目(創業4年目)も、感謝して真摯に誠実に努力いていきます。
ご支援を何卒よろしくお願いいたします。